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- comme l'ambre -

2015年12月1日開設

"Lascia ch'io pianga" ―『幸せをつかむ歌』を見て―

メリル・ストリープ主演、『幸せをつかむ歌*1を見てきました。

私にとって、何故だか、とても心に響いて…、響きすぎちゃって…、涙が溢れました。

完全に私の涙腺スイッチを押されてしまった映画でした。

余程気持ち良く涙を流せたのか、見終わった後は、心が爽やかな感動で満たされて、笑顔になれました。

映画館でこんなに涙が溢れたのは、リース・ウィザースプーン主演の『私に会うまでの1600キロ*2を見て以来かもしれないなあ?

Ricki And The Flash: Original Motion Picture Soundtrack

映画『幸せをつかむ歌』は、バンドボーカルとして夢を追い続けている一人の女性のお話。

離婚した元夫からの電話を切っ掛けに、再び元の家族と関わり始めることになり、物語が動き始めます。

 

  • リッキー*3RICKI AND THE FLASHのボーカル&ギター。普段はスーパーのレジ係。元夫ピートとの間に3人の子供がいる。破産手続き中。バンドメンバーのグレッグと真剣な付き合いになりそうなところ。
  • ピート*4/リッキーと離婚後、モーリーン*5と再婚。何でもしっかり保存する性質、例えそれがマリファナでも、「思い出」でもしっかりパッキング。モーリーンが実家に帰省中に、リッキーに母としてジュリーを支えて欲しいと電話する。
  • グレッグ*6RICKI AND THE FLASHのギタリスト。ギブソン・SGを愛用。離婚歴あり。リッキーを真剣に愛している。
  • ジュリー*7/リッキーとピートの長女。離婚で自殺未遂。心のリハビリ中。
  • ジョシュ*8/リッキーとピートの息子。エミリー*9婚約中

 

映画は、RICKI AND THE FLASHのライブシーンから始まります。場所は、小さなバーのステージ。

オープニングを飾る一曲目はAMERICAN GIRL

一曲目の演奏が終わるとバーの馴染みのお客たちは大盛り上がり。

私も思わず拍手しそうになってしまったくらい。でも「おっと映画館だった!」と気が付いて、なんとか拍手せずに済みました。

本当に思わず拍手したくなるくらい、オープニングのたった一曲のパフォーマンスでRICKI AND THE FLASHに心を鷲掴みにされてしまいました。

しかも、この時点で「この映画、見に来て正解だった!」「もう絶対面白いに決まってる!」と確信してしまいました。

その後も暫くはライブパフォーマンスが続きます。なんだか超小規模なライブビューイングを見てるみたいで楽しかったです。

メリル・ストリープ演じるリッキーの少しハスキーでパワフルな歌唱に、すっかり圧倒されました。

今まで、私が見たことない「メリル・ストリープ」という感じだったので、今更ながら改めてメリル・ストリープ」って何者?なんだか凄い!と衝撃を受けてしまいました。

それに、他の映画で見た時よりもずっと若々しい感じもして、メリル・ストリープって実際は何歳くらいなんだろう?と不思議に思いました*10

 

今まで「カメレオン俳優」って言葉を知っていても、一度も使ってみたことはなかったけれど…。この言葉って、メリル・ストリープみたいな人にこそ使うべき言葉なのかな?なんて初めて思いました。

メリル・ストリープこそカメレオン俳優だ!」って。

本当に、メリル・ストリープって見る度に、違う人みたい!

 

こ…これは…(;・∀・)カ、カメレオン…っ、か、関係ないか…。

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冒頭のライブシーンだけでも、もう相当楽しくて感激しました。

そうは言っても、まだここでは泣かなかったけど!!

 

じゃあ、どのシーンで泣けちゃったんだろう…?ちょっと書き出してみることにします。 

【泣けちゃったシーン】

  • ジュリーが、リッキーに自殺未遂したことを打ち明けたドーナツ店での2人の朝食シーン
  • ピート、ジュリー、愛犬シグマに、リッキーが自作のCold Oneを弾き語りするリビングでのシーン
  • 生みの親リッキーと育ての親モーリーンがジュリーをどう支えるかの方針で揉めた後、リッキーがバスルームで項垂れているシーン
  • リッキーが、ロックスターと母親業を兼任する困難さをバーのお客たちにぶちまけたライブMCのシーン
  • グレッグがリッキーに愛を伝えるシーン
  • RICKI AND THE FLASHDrift Away演奏シーン
  • ジョシュの結婚式でブライズメイド役を務めるジュリーをリッキーが励ますシーン
  • ジョシュの披露宴パーティーで、リッキーの3人の子供達がステージ上に集まって、RICKI AND THE FLASHと一緒にLet's Work Togetherを歌うシーン

思い出してみると多分こんな感じかな。

 

中でも一番ボロボロ泣けちゃったのは、Drift Awayの演奏シーン。

リッキーの元にジョシュから結婚式の招待状が届きます。リッキーは、ジョシュに招待されたことに喜びながらも、「お金もないし欠席することに決めたの」と、バーテンダーダニエル*11に話します。

そう話してリッキーがバーカウンターからステージ上へ戻ると、グレッグのギターがいつものギブソン・SGではなく、真っ黄色のギターに変わっています。

するとリッキーが「どうしたの?そのギター、バナナみたいで嫌いだった筈でしょ?いつものは?」と尋ねます。

グレッグは少し困ったように、(ん?)とトボけた表情。

そこでハッとするリッキー。(グレッグは、私が結婚式に出席するためのお金を工面するためにギブソンSGを手放したのね!)と気が付きます。

そんな中、Drift Awayの演奏が始まります。

リッキーは大感激しながらパフォーマンスをします。

もう見ているこちらも涙涙でした。

本当に、心から最高に幸せそうなDrift Awayのライブパフォーマンスでした。 

 

そのライブパフォーマンス後に続くシーンで、見ていて少し分からない点がありました。

結婚式に出席するためのドレス選びをしているグレッグとリッキー。

水色のドレスを試着したリッキーが試着室から出てくると、それを見てグレッグがこう言います。

字幕では確か「R・ダルトリーみたいだ」だった筈。

でも、台詞では、更に「ダルトリーの瞳」とか「トミー」とも言っているように私には聞こえて、一体何のことだろう?とよく分からなかったんですよね。

「ロック」ネタが色々出てくる映画だから、「トミー」と言ったら「Mötley Crüeのトミー・リーかな?」「ダルトリーはトミーの恋人か何かかな?」なんて思ったんですが。

後から、「ダルトリー トミー」で検索してみると。

R・ダルトリーは、THE WHOロジャー・ダルトリーのことで、『トミー*12は彼が出演した映画のことのようです。

THE WHO1969年にリリースしたアルバム『トミー』を元にして作られた映画とのことですが、一体どんな映画なんでしょう?いつか見てみようと思います。

 

THE WHOの他にも、「ジャーニー」って名前の女の子が出てきたり。サミー・ヘイガー「カボワボ」テキーラの話が出てきたり。

そんな風に「ロック」ネタに注目して見ても楽しめる映画です。 

 

エンディングでは、リッキーがピートの家のリビングでアコギで披露したCold OneRICKI AND THE FLASHのライブバージョンで聴くことができます。

Cold Oneに合わせて披露宴パーティーの参加者全員が踊ります。中でも、私は、ジュリーとダニエルが楽しそうに踊る姿に注目してしまいました。案外いいコンビになりそう。

 

私はケヴィン・クラインが見たくて『幸せをつかむ歌』を見に行ったのですが。

期待した以上に、楽しくて、感動して、こんなに素敵な映画に出会えて、本当に大満足な幸せな時間を過ごせました。

 

映画を見た後、なんとなく頭の中で、ケヴィン・クラインメリル・ストリープが逆だったら、どんな映画になったかな…なんて想像してみちゃいました。つまり、ケヴィン・クラインが夢を追い続けるロックスター役。試しに想像してみただけだけど、ちょっと可笑しくて笑っちゃいました。でも、ケヴィン・クラインメリル・ストリープのコンビだったら何でもやれちゃいそうだな、って。

 

本当になんていい映画だったんだろう!!

 

(因みに、記事タイトルは、あんまり泣けた映画だったから。リナルド『涙の流るるままに』の原題を拝借。)

*1:原題は、RICKI AND THE FLASH

*2:2014年、原題はWild

*3:演じるのは、メリル・ストリープ

*4:演じるのは、ケヴィン・クライン

*5:演じるのは、オードラ・マクドナルド

*6:演じるのは、リック・スプリングフィールド

*7:演じるのは、メイミー・ガマーメリル・ストリープとは実の母娘関係。

*8:演じるのは、セバスチャン・スタン

*9:演じるのは、ハイレイ・ゲイツ

*10:メリル・ストリープは1949年生まれ

*11:演じるのは、ベン・プラット

*12:1975年、原題はTommy