- comme l'ambre -

2015年12月1日開設

The Coffee Songを聴きながら ―『ア・フィルム・アバウト・コーヒー』を見て―

スペシャルティー・コーヒーを求めて!

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『ア・フィルム・アバウト・コーヒー*1という、コーヒーのドキュメンタリー映画を見てきました。

映画の公開を知ってから、一体どんな映画なのだろうと…内容が気になって気になって、ついついコーヒーのことを考えてしまって、普段聴く曲まで、フランク・シナトラの歌うThe Coffee Song ( They've Got An Awful Lot Of Coffee In Brazil )になってました。

暫くの間、結構ヘビロテしました。

Essential Frank Sinatra: The Columbia Years

 

上映時間は60分強。

内容はギュッと濃く、エスプレッソな映画って感じでしょうか。

長すぎず短すぎず、ちょうどイイ長さのドキュメンタリーでした。

それにバックグラウンドミュージックも心地良かったです。

コーヒー初心者の私には、初めて知る話ばかりで、とても興味深かったです。

何しろ、コーヒーの実はどんな風に生るのか、コーヒーの実はどんな色なのか、そんなことさえ全く知らなかったので、約60分の間、心の中で「へえーー!!」の連続でした。

 

本当にちょっと前まで…、つい2~3年くらい前までは、私は、コーヒーが本当に苦手で駄目でした。ただただ苦くて黒い飲み物、としか思えませんでした。

しかし打って変わって今では、コーヒーが好きです。

好きになった切っ掛けは、コーヒーの「ジャケ買い」をしたことから。

お店で見かけた、或るドリップコーヒーのパッケージに一目惚れしてしまったんです。

その素敵なパッケージのコーヒーを家に持ち帰り、早速淹れてみると、今までとは違って、意外なことに、いい香りに感じました。そして一口飲んでみると、またまた意外なことに、ただ苦いだけでもない気がしました。

「あれ?コーヒーって美味しいかもしれない?」と、その時初めてコーヒーが美味しいと感じました。

そのコーヒーは、小川珈琲店というところが発売している、ドリップ式のデカフェコーヒーでした。 

小川珈琲 カフェインレスブレンド カフェット (10g×4P)×3個

それ以来、私はコーヒーが好きになってしまった訳です。

今では、外出先でコーヒーを注文するのが楽しみだし。また自宅でも、色々なコーヒーを試してみるのが、すっかり楽しみになってしまいました。

もしかしたら、今のようにコーヒーが好きになっていなかったら、『ア・フィルム・アバウト・コーヒー』なんて、見に行ってなかったかもしれません。

映画を見ていても、コーヒー好きになってしまったなあ、と感じたところがありました。確か、或るコーヒー店のオーナーが、コーヒーの真空パックを開けた瞬間の話をしていた場面でのこと。話を聞いていたら、「あれ?コーヒーの香りがする気がする!」と、別に4D上映でもないのに、自然とコーヒーの香りを感じてしまって、そんな自分に少し笑ってしまいました。これは相当コーヒーが好きになった証拠だと思いませんか?

 

このドキュメンタリー映画には、コーヒーに魅惑された人達が沢山登場します。コーヒーについて語る彼らの顔は真剣そのもの。

それにコーヒーを味わう彼らの表情も、まさに至福の時という顔をしています。

中でも、特に幸せそうにコーヒーを味わっていた人達がいました。

それは、生産者、買い手、バリスタが一堂に会した場でのこと。

その場では、バリスタが、生産者に対して、「あなた方の作ったコーヒー豆を、我々は実際このようにして店で提供しているんですよ」と、デモンストレーションをしています。

バリスタが、店で特に人気のエスプレッソやカフェオレを作って見せると、エスプレッソもカフェオレも飲むのは初めてだと口々に言う生産者たち。

そんな彼らが、エスプレッソやカフェオレを初めて口にした時の表情が、なんともいいんです。みな目を丸くしてお互いに顔を見合わせながら、一口、また一口と味わい、その初めての味わいに驚き、喜び、そして、とても誇らしそうにも見えました。

美味しいものを口にしている時の表情ってあんなにもキラキラしているものなんだなあと、見ていてこちらまで幸せな気分になりました。

しかし、このシーンは感動的なシーンというだけではありません。良質なコーヒー豆を手に入れるためのとても重要な意味合いもあるんです。

良質なコーヒー豆のことをスペシャルティー・コーヒーと言うのですが、そのスペシャルティー・コーヒーの入手には、生産者と買い手・バリスタがきちんと顔を合わせることが欠かせないんだとか。

美味しいコーヒー豆を継続して手に入れるには、先ず買い手は現地に赴き、生産者を励まし、きちんとした対価を支払うこと。そして生産の環境が悪ければ整える手助けをすること。そうして、コーヒー豆が私達の口に運ばれるまで、徹底した管理をすることがとても大切なのです。

一見当たり前のことのように思われがちですが、かつてコーヒーの大量生産時代にはこのような手続きは全く為されなかったため、市場には粗悪なコーヒー豆が出回り、一方の生産者側も安い賃金しか受け取れなかったそうです。

本当に文字通りの「安かろう悪かろう」だったんですね。

その時代の反省から、今現在、美味しいコーヒーが飲める訳です。

考えてみると、私が「ジャケ買い」したコーヒーだって、突然商品になって目の前に現れた訳じゃない。辿っていくと、そこには必ず生産者がいるんですよね。普段購入する時にあまり意識しないけれど、美味しいものを口にしたいならば意識的でなければいけないのかもしれないと思いました。

 

映画館を出ると、ついつい珈琲店にばかり目が行ってしまいました。

思っていたよりも珈琲店って多くてびっくりします、それだけコーヒー好きの人が多いんですね。

 

『ア・フィルム・アバウト・コーヒー』は、60分程と見易いドキュメンタリー映画なので、是非、沢山のコーヒーフリークの方に見て欲しいなあと思いました。

*1:原題は、A FILM ABOUT COFFEE